大分駅方面から車で約30分、国道210号の「同尻橋先」交差点を左折して県道618号を道なりにグングン山を登っていく……すると、頂上付近で公民館が見えてくるだろう。そこがゴールだ。何も知らなければ確実にスルーしてしまう「谷東部公民館」が目印である。

公民館の裏手には、いわゆる田舎の古民家がポツンと佇んでいるのだが、実はここ……知る人ぞ知る国産牛ステーキ丼の有名店なのだ。というわけで今回は、大分県由布市の秘境グルメ・春馬丼定食をバッチリ食べてきたので報告したい!

・古民家食堂春馬

お店の名前は『古民家食堂春馬』。ミシュランガイド熊本・大分の2018年度版にも掲載された実力店である。くり返しになるが、県道沿いに目立った看板がないため、目印の公民館は見逃し厳禁。ミシュラン調査員も谷東部公民館を発見してテンションが上がったに違いない。

記者が伺ったのは平日の12時過ぎ。すんなりと入店できたが、土日は1時間待ちになることも珍しくないらしい。ラッキー! ってことで、入口でスリッパに履き替えてから店内へ。案内されたのは囲炉裏を囲むカウンター席だ。窓の外の紅葉もナイスである。

・名物の春馬丼

さて、さっそく1番人気の「春馬丼定食(1150円)」を注文した。平日はいかにも “山の男” であるダンディなマスターが1人で切り盛りしているため、定食の完成まで「少々時間がかかります……」とのこと。ってか、マスターの話し方が穏やかでカッコイイんですけど。

そして約20分後「お待たせしました……」と、ふたたび穏やかな声のマスター。春馬丼定食の登場である。う、美しい。低温で炙った国産牛がこんもりと盛られたステーキ丼だ。特製の「春馬たれ」とガーリックバターの組み合わせが絶妙らしい。ウマそうだぞ。

そこからは予想通りの展開だった。赤身肉と特製たれの豊かな味わいが、じわりと口の中に広がっていく。美味しさが伝わるスピードもマスター同様とても穏やか。薄くスライスされているとは言え、上品で優しい肉の甘みが1枚1枚に凝縮されていて食べ応えも抜群である。

そして、なんと言っても “山奥” というロケーションが良い。春馬丼の美味しさとしっかり向き合える気がするのだ。そのままでも十分に美味しいが、卓上の「春馬たれ」を追加して濃厚な味わいを堪能するのも良いだろう。茶碗1杯分の並盛でも、かなり満腹になったぞ。

・タレは自販機でも購入可能

ちなみに同店自慢の「春馬たれ」は、店頭の自販機でも販売(350ml 800円)している。満席で入れない場合は、せめてタレだけでも買って山道を引き返してくれ。そして、山奥の秘境グルメを味わった後は……由布市内の温泉が待っているぞ。春馬丼からの日帰り温泉、機会があればぜひ!

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 古民家食堂春馬
住所 大分県由布市挾間町谷224
時間 11:30~14:30(L.O.14:00)
休日 木曜・第1、3水曜日

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼公民館が目印

▼車をとめたら階段を下りて……

▼到着……というか発見!

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