つい先日、年内いっぱいでの芸能活動引退を発表した「タッキー&翼」の滝沢秀明さん。電撃的な一報ではあったものの、インターネットの声を見る限りファンもだいぶ落ち着いたようだが、記者にはかねてから不思議だったことがある。

それはSMAP解散のときも、山口達也さんの不祥事のときも、加藤シゲアキさんの謹慎のときも、いわゆる “ジャニヲタ” と見られるTwitterは「圧倒的にポエム調のものが多い」ということだ。この現象はなぜ起きるのだろうか……?

・ポエマーが多い

ジャニーズ事務所所属のアイドルが不祥事などを起こした際、Twitterにはジャニヲタ作と見られるポエムが大量発生する。例えば今回発表のあった滝沢秀明さんの場合「タッキー」や「滝沢秀明」でTwitter検索すると、以下のようなポエムにヒットしまくるのだ。


「タッキーという太陽があって、翼という月がいた──。お互いに欠けていたら、どれだけ寂しかったことだろう? 2人を見ることがなくなっても、きっと2人はそのままの関係だね。忘れないよ、ありがとう──」

「私がいなくてもタッキーはいるけど、タッキーがいなくちゃ私の今はない。これからもあなたに寄り添いながら生き続けていいですか? 滝沢秀明に出会えたことが私の誇りです」

「今は悲しいけど、それを滝沢くんが選んだ道なら仕方ないね。深い傷は残るけど、この傷を癒してくれるのも滝沢くんだよ。いま、あなたが発した一言一言がよみがえり、そして胸に突き刺さっています。目を閉じれば、そこには君──」


例題は記者の創作だが、大体こんな感じのニュアンスである。不思議なのは、例えばEXILEのTAKAHIROさんが結婚を発表した際はポエム調のツイートはあまりなく、ジャニヲタだけがポエマーチックなのだ。これは何か理由があるに違いない……。

・ジャニヲタだった人に聞いてみた

そう思い、かつてジャニーズにハマった経験があるという30代女性に話を聞いてみたところ、「なるほど!」と腑に落ちる回答が得られた。以下でご覧いただこう。


──なんでジャニヲタってポエム調のツイートが多いんですか?

「あー。確かに言いたいことはわかるかも。ジャニヲタのポエム率は確かに高いですよね」

──そうなんですよ。女性アイドルファンとかはあまりないのに、ジャニヲタだけにポエマーが多くないですか? 理由わかります?

「正しいかどうかはわかりませんけど、思い当たるフシはあります」

──というと……?

「雑誌ですね。具体的に言うとMyojo(明星)とかWiNK UP(ウィンクアップ)とか」

──雑誌ですか?

「今の若い子たちはわかりませんが、当時のジャニヲタはテレビ半分、雑誌半分で育ちました。周りが “りぼん” や “マーガレット” を買っていても、ジャニヲタはMyojoとかWiNK UPを購入して熟読するんです」

──なるほど。でも雑誌とポエムにどんな関係があるんですか?

「WINK UPは覚えてないんですけど、実はMyojoには読者投稿型の “ポエムコーナー” があったんですね。今はわからないですけど」

──!!!!!!! ポエムコーナー!

「これがまた素敵なんですよ。大好きなアイドルに捧げるポエムで、しかも紙面に載るのは厳選された極上の作品ですからね。ジャニヲタにポエマー気質があることに雑誌が無関係ではないでしょう」

──なるほど……。メチャメチャ納得しました。


・雑誌の影響だった

言われてみれば、思春期の頃にむさぼり読んだ雑誌に影響されることは当然といえよう。記者も中学生の頃「週刊プロレス」を死ぬほど読み込んでいたが、文章の書き方や活字の捉え方はその際「勝手に身についていた」と言っても過言ではない。かつての雑誌には、それだけのパワーが確実にあった。

というわけで、ジャニヲタにポエマーチックな人が多い理由の1つは「雑誌(特に読者投稿型のポエムコーナー)の影響」であろう。間接的ではあるものの、世の中に大量のポエマーを生み出してしまうジャニーズ事務所もまた偉大だ。ポエム教室とかよりよっぽどスゴイ。

Report:P.K.サンジュン
イラスト:マミヤ狂四郎

▼山口さんの際もポエマーが続出した。しかもクオリティが高いから恐れ入る。