「タダ(無料)ほど怖いものは無い」とはよく言われるが、実際のところ「タダ」という言葉は多くの人の心をザワつかせる。例えば、吉野家の牛丼がタダ。どうだろう? 「マジで!? はよ教えろ!」とならないだろうか。実は、私もそうなってしまった。ある人から、「吉野家でタダ飯できる」と聞いたときは。ところが……!

詳しく話を聞くと、その方法はあまりにもゲスいことが判明。「普通の人にとっては役に立たねえだろう」と私は思ったのだが、読者のみなさんが犠牲者になる可能性もあるため、以下で紹介したい。

そのやり方を教えてくれたのは、24時間のうち20時間くらい「タダで飯を食う方法」について考えているという安藤さん(仮名)。彼が言うには「仲間と協力すればいいんだよ」とのこと。一体どうするのか? 聞いてみたところ……


私:「仲間と協力したら吉野家で牛丼(並)を無料で食べられるって、どういうことですか?」

安藤:「そのままの意味だよぉ。職場の同僚とか友達とか、つまり自分の仲間と一緒に吉野家へ行くってことさぁ」

私:「それだけでいいんですか?」

安藤:「それだけじゃあ無理に決まってるじゃないかぁ(笑) 事前にちょっとした仕込みは必要だよぉ」

私:「仕込みと言いますと?」

安藤:「クーポンがいるんだよぉ。といっても条件があって、“グループの中の1人が持ってると各自◯円割引的なクーポン” があるでしょう? それを手に入れておくんだよぉ」

私:「はぁ」

安藤:「これからの時期の吉野家なら『毎日80円引き! 定期券』ってヤツがいいかなぁ。4月1日から5月7日までっていう期間はあるけど、1枚で何回も使えるし。もし吉野家以外でこの方法を使うんだったら、似たような仕組みのクーポンを手に入れておけばいいんだよぉ」

私:「それで?」

安藤:「あとは、仲間を誘ってお店に行けばOKだよぉ。この時、なるべくドンくさそうなヤツを選ぶのが大事なんだよぉ」

私:「ドンくさそうな?」

安藤:「そうだよぉ。吉野家を例に説明すると、ドンくさそうな仲間を5人以上見つくろってお店に行くんだよぉ。食べ終わったら、「個別にお会計したらお店に迷惑なので、自分がまとめて払っときますよ」とか適当に言えばいいんだよぉ。その流れで、仲間を外に出しちゃえば完璧だよぉ」

私:「まさか……」

安藤:「あとは、店員さんにこっそりクーポン(定期券)を渡してお会計を済ませてぇ、店の外で5人から通常料金を請求すればいいんだよぉ。仲間が5人いたら80円 × 5の400円分が割引になってるんだけどぉ、それは仲間に黙ってればいいだけさぁ」

私:「…………」

安藤:「そうすると、その400円で自分の分の牛丼代(380円)をペイできるから、実質無料ってワケさぁ。しかも20円も儲けるしねぇ。どうだい? 賢いだろ?」

私:「……賢いかどうかは置いておいて、それがお仲間にバレたら面倒なことになりません?」

安藤:「もしバレたとしても、たかが80円でいちいち文句言ってくるヤツは仲間じゃないよぉ」

私:「……仮に誰からも文句が出なくても、「気づいてるけど80円くらいでゴチャゴチャ言いたくないから黙ってる」って人がいる可能性も考えられますが……」

安藤:「そういう変なプライド持ってるヤツ、便利だよねぇ(笑)」


──以上、あまりにもクズな発想で絶句してしまったが、方法としては上の通りらしい。ちなみに、安藤さんは「5人なら1回やるごとに20円の利益だから、それを15回繰り返せば定期代(300円)もペイできるよぉ」と言っていたことも念のために付け加えておこう。

もちろん、常識ある読者のみなさんはこんな方法を実践しないとは思うが、「そういう発想をするヤツもいる」と知っておいて損はないはずだ。特に、「やりそうなクズが身近にいるわ」という人は、“仲間” にされないように気をつけてくれ。

参考リンク:吉野家『毎日80 円引き!定期券
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.