いま日本で人気爆発の中国料理と言えばやはり「蘭州ラーメン」! 中国人、中国滞在歴がある日本人はもとより、中国未経験の日本人も「美味しい!」と評判。行列が絶えない店も多い。

となれば、こう思う人もいるだろう。「本場の蘭州ラーメンのお店に行ってみたいなぁ」。是非行ってください! というのも蘭州ラーメンの店は旅人に非常に優しい店だからだ。

・旅人に優しい蘭州ラーメン

中国の旅、ことに1人 or 少人数旅で困るのは食事である。頭数がいないと大皿系の料理はおのずと選択肢から外れる。そりゃ食べきれない分を打包(ダーバオ / テイクアウト)できるとはいえ、せっかくの旅でそれも……ねえ? その悩みを解決してくれるのが蘭州ラーメン店なのだ。

中国では各地に蘭州ラーメン店と呼ばれる店が星の数ほどある。その出自によって蘭州ラーメンと呼ぶべきかそうでないか議論の声もあるが、今回はその問題は置いておいておきたい。「蘭州ラーメン」と名乗り、多くの市民がそう受け入れている店についての話である。

さて、何が旅人にとって良いのかというと、まず食事が1人前単位で用意されていること。写真つきメニューを置いている店が多く、明朗会計&リーズナブル。そしてそして! たいがいの店ではメニューが山のようにある! 「1カ月通っても制覇しきれないのでは?」というくらい豊富なお店もあるのだ。

もちろん牛肉麺が看板商品だが、それだけじゃない蘭州ラーメン店。ということで、今回は現地の店で食べておきたいメニューを勝手に4種類選んでみた!

・現地店で食べておきたいメニュー4選

【やっぱり安定の炒飯】
中国と言えば炒飯。炒飯と言えば中国。日本語と同様「○○炒飯」とメニューには具材名が書かれているので、非常に安心な一品である。日本では見かけない「羊肉炒飯」を食べるもよし、逆にシンプルな「蛋炒饭(玉子チャーハン)」がウマければ、その店はアタリであろう。

そしてご飯ものを頼むと、ほとんどの店で牛肉麺のスープをつけてくれるというのもイイ。コメも食べて牛肉麺のスープも飲めちゃうなんて1粒で2度おいしいじゃないか。パクチーはテンコもり。肉の切れ端でも入ってたらラッキーだ。

【盖浇饭 or 烩饭 / ぶっかけメシ】

続いてオススメは「ぶっかけメシ」系。「盖浇饭(ガイジャオファン)」や 「烩饭(フイファン)」と表記されているものだ。お皿にご飯が盛られ、その上におかずがのっている。

定番の「西红柿炒蛋(トマトと卵炒め)」や「回锅肉(ホイコーロー)」っぽいもの、はたまた北京なら北京、上海なら上海とそのエリアの特色が出ることもある。

盖浇饭(烩饭)にもスープがつくことが多く、非常に満足度が高いメニューと言えるだろう。

【泡馍(パオモー)シリーズ】

ぱおもー! ぱおもー!! 日本ではあまり馴染みがない料理「泡馍(パオモー)」もオススメだ。これは「馍(モー)」という蒸しパンが液体に浸った食べ物。羊や牛肉入りのスープであることがほとんどだが、たまにヨーグルトに浸かった「酸奶泡馍」もある。

日本でメジャークラスの中国料理は「コメ」や「麺」がほとんどだが、蘭州がある西北部は麺以外の粉モンもよく食べられる。「泡馍」は異国情緒を楽しめる一品と言えるだろう。

【肉夹馍(ロウジャーモー) / ハンバーガー的なもの】

そんな「馍(モー)」で作ったハンバーガー的な食べ物が「肉夹馍(ロウジャーモー)」だ。甘粛省のお隣・陝西省の名物で、同省無形文化遺産に登録された由緒正しきファストフードである。

一般的な肉夹馍の中には「腊汁肉(ラージーロウ)」と呼ばれるブタの煮込みをほぐしたもの、ピーマンなどの野菜が入っており、これが誠にウマイ。

豚肉? あら、蘭州ラーメンの店ってハラルじゃなかったっけ……? そう思う人もいるかもしれないが、中国人に聞くと「掟を守っている店では牛など別の肉が使われている」そうな。

──以上である。

蘭州ラーメン店は中国全土に存在する。上記のオススメは、各地域たいがいの店で見かけたものだが、扱っていない場合もあるのでご注意を。しかし「1人飯もOK!」「明朗会計」は、どの店でも共通して言えることである。

日本で蘭州ラーメンが気に入った人、これから中国1人旅や少人数旅をされる人は是非とも足を運んでみてほしい。店に「兰州拉面(蘭州ラーメン)」「牛肉面(牛肉麺)」「清真(ハラル)」と書いてあれば間違いないはずだ。

執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼酸奶泡馍は結構レア! 砂糖たっぷりで甘くておいしいよ(画像提供:osamu氏、ありがとうございました!)