株式会社ハセガワの80周年記念キット、昭和ノスタルジックなプラモデルシリーズに待望の第2弾が登場。第1弾のハンバーガーと並んでレトロ自販機の代名詞といえば「うどん・そば」である。

過去記事でも取り上げたように、現役でマシンが活躍する現場もたびたび話題になるから、むしろこちらの方がメジャーかもしれない。これは作らずにはいられない!


・1/12スケール「レトロ自販機(うどん・そば)」(税込1650円)

内容物はシンプル。3色に分かれたパーツと、各国語で書かれた案内書が入っている。この案内書は「レジン部品の洗浄及び下地処理について」など全モデルに共通する内容で、個別の組立説明は外箱にある。

構造美を楽しむ人もいると思うが、ディテールに興奮する筆者としては、緻密に印刷されたデカールは萌えアイテム! 仕上がりを想像してニヤニヤしてしまう。

それでは作っていこう。


前回ハンバーガーを作り、2回目ともなれば筆者も慣れたものである。カットすべき不要パーツもすぐわかる。

接着剤なしで、パチパチとはめていくスナップフィットもおなじみ。2枚の壁を連結するのにも、接続パーツを押し込むだけ。苦労する部分はほとんどなく、おもしろいくらい順調に組み上がっていく。

難しい作業といえば、極小のシールを貼るのに神経を使うくらい。


余談だが、ランナータグが「UDON SOBA」なのが微笑ましい。こういった「かっこいいもの」「憧れのもの」ではない、いわゆる日用品のプラモデルって日本独自の文化なのだろうか。欧米だとドールハウスになるのかな?

自販機から出した後の麺や割りばしもちゃんとある。2個入りなので「うどん」「そば」それぞれ作れるぞ。

もう少しで完成である。ところで今回は塗装はないのかな? 手順書に色指定が見当たらないけれど……

うわ、パッケージの側面にちゃんと塗装指示あったー!!!!


ふりだしに戻る。なにが「2回目ともなれば筆者も慣れたもの」だ。

前回シールで済むところに塗装するという「余計なお世話」をしてしまったのだが、それよりも始末が悪い。思い込みで作業を進める悪癖が再び……。

パーツは何度でも組み直せる。フィット感は抜群で、気持ちよいほど隙間なくピタッとはまるのに、裏側からピンセットなどで押せば簡単に外れるという細やかさ。日本の「ものづくり」の技術や精神ってすごいと思う。

延々とマスキング作業をする。塗装の工程のほぼ9割はこの作業だといっていい。苦労するたびに、次こそは細マスキングテープやマスキングゾルを買おうと思うのに、のど元を過ぎれば忘れてしまう愚か者。

ちまちまと筆塗りしてマスキングテープをはがしたら……


めっちゃ失敗しとるー! マスキング意味なし!!!!


心の乱れが現れたか!? 溶剤で溶かして拭き取ろうとしたが、未熟なリカバーを試みる → 余計に失敗して修正箇所が増える、という無限ループに陥ったので断念する。


・完成

完成である。塗装がいろいろとひどいことになっているが目をつぶる。

以前作った「ハンバーガー」と並べると、縮尺ぴったり。しかし横幅は1.5倍くらいある。きっと熱湯を沸かしてタンクに溜める分、大きくなるんだな。

実物の自販機と比べても、よく雰囲気が出ている! 前面パネルが2枚に分かれていたり、オレンジ色のイメージカラーも同じ。

どんぶりにネコの肉球が印刷されているのは、「ハンバーガー」に登場しているハセガワのオリジナルキャラクターか!?

あちこち失敗したが、シールの力で細部もリアルに見える。とりわけシール+クリアパーツ+外枠の3枚重ねで再現されたボタン部分なんて素晴らしい!

商品取り出し口は本物みたいに開閉するので、お好みでカップをディスプレイ可能。麺は塗装することもできるし、付属のシールを貼ってもよい。自分のスキルに合わせて選べる。

スケールは1/12で、フィギュア用アクセサリーシリーズの一環だ。つまりフィギュアやドールの背景として使うことが想定されている。

けれど筆者としては、自販機を眺めているだけで楽しい! ハセガワでは「公園のベンチとゴミ箱」など、組み合わせられそうなアイテムも展開しているから、昭和のドライブインを作ってみよう!


参考リンク:株式会社ハセガワ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.