随分昔の話になるが、私(佐藤)は20代前半にパチンコ店でアルバイトをしていたことがある。1日で10万円も負ける人がいるのを見て、どうしてそこまでハマってしまうのか、不思議で仕方がなかった。だが歳を重ねると、人は誰でも、パチンコやパチスロに限らず何かしらに依存心を抱いてしまうものなのかもしれないと思うようになった。

最近、あるパチンコ店で見かけた貼り紙の「自己診断チェック表」が衝撃的だったので紹介したいと思う。パチンコ・パチスロの依存度を計るためのものだが、それ以外の物事にも当てはまりそうだ。ひとつでも項目に「○」がつくと、なかなか深刻な依存度ではないだろうか。

・ギャンブル依存症啓発のため

このチェック表は、遊技産業活性化委員会(業界6団体で構成)が「パチンコ店における依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」を制定し、ギャンブル依存の啓発のために作成したものだ。

一般社団法人「日本遊技関連事業協会」によると、アメリカ精神医学会が作成した「精神障害の診断と統計マニュアル」第5版(DSM-5)のギャンブル障害の診断基準をパチンコ・パチスロ用に当てはめて作成したそうだ。そのチェック項目は以下の通り。

・自己診断チェック表

1.パチンコやパチスロを、やめたり、遊ぶ回数を減らしたりすると、イライラして落ち着かなくなる。

2.パチンコやパチスロを、やめようとしたり、遊ぶ回数を減らそうとしたりするが、ムダな努力に終わっている。

3.パチンコやパチスロを打っているときのことが繰り返し頭に浮かび、次回どうやって打とうか、どうやって資金をねん出しようかといったことが、頭から離れない。

4.孤立感、罪悪感、不安。抑うつ感などの苦痛を感じると、パチンコやパチスロに逃げ込むことが頻繁にある。

5.パチンコやパチスロでお金を失うと、負けを取り戻そうとして、別の日にまたパチンコやパチスロに行くことが頻繁にある。

6.パチンコやパチスロにひどくのめり込んでいることを隠すために嘘をつく。

7.パチンコやパチスロにひどくのめり込んでいるせいで重要な人間関係や仕事、教育または職業上の機会を危険にさらしたり、失ったことがある。

8.パチンコやパチスロによって引き起こされたどうしようもない金銭的な危機状況をのがれるために、誰かにお金を出してくれるよう頼む。(日本遊技関連事業協会公開の「自己診断チェック表」より)

ちなみに、4項目が当てはまった人は軽度、5〜6項目なら中度、7〜8項目当てはまったら重度だという。

また、この項目は1年以上前のパチンコ・パチスロ行為には該当しないとのこと。過去1年間において項目の内容が続いたり繰り返したりして、身体的精神的、もしくは経済的な健康を害した場合にチェックをするとしている。

・何事も

上のチェック項目はパチンコ・パチスロ依存者のために作られたものではあるが、ほかの物事にも十分に当てはまるだろう。いずれにしても、極度な依存状態は心身を疲弊させるだけでなく、経済的にも影響を与えるケースがある。何事も健全に楽しむことが大事なのではないだろうか。

参照元:日本遊技関連事業協会(PDF
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24