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1989年にブルガリアで第1回が開催された、『国際情報オリンピック(International Olympiad in Informatics, IOI)』。これは高校生までの生徒を対象に数理情報科学の問題解決能力をもつ生徒を見出し、その能力の育成を助け、また、各国の選手・教育者同士の国際交流を図ることを目的として催される大会である。

そしてその国際情報オリンピックに出場する選手を決めるのが、日本情報オリンピック(Japanese Olympiad in Informatics, JOI)だ。ここで国際情報オリンピックに派遣される、日本代表選手が決められている。

日本情報オリンピックで出題される問題は相当に難しく、現役エンジニアでも解答するのが難しいものばかりだという。つまり、コレを解くことができる生徒=未来のスーパーエンジニアになる可能性が高いということだ。

では、日本情報オリンピックで出題される問題を実際に現役エンジニアがチャレンジしたら、どれぐらい答えることができるのだろうか? 今回はシステム開発会社勤務の現役エンジニア・Iさんに2012-2013年度の予選問題を解いてもらってみたぞ!

最初の1~2問目は「基本を押さえてれば問題無くできるね!」と言いながらスラスラッと解くIさん。さすが現役といったところだが、3問目に入った瞬間、「え、なんでこんなに難しくなるの(汗)」と、急に手が止まってしまった。どうやら相当難しいらしい。

タイムリミットの3時間まで粘るも、残念ながら現役エンジニアですら2問解答が限界。情報オリンピック参加者の平均点を見てみても、最大20点のところ問題1は15.8点、問題2は10.1点が平均点なのに対して、問題3からは平均点がググッと下がり2.7点になるため、急激に問題のレベルが上がったようだ。

実際に国際情報オリンピックのサイトで公開されていた答えとIさんの解答を照らし合わせると、だいたい同じようなプログラムの書き方となっていたので、これぐらいが平均なのかもしれない。

Iさんいわく「この問題を解くにはプログラミングの能力も必要だけど、なにより問題を読み解く能力も必要になってくる。つまり実務で考えるとお客さんの要望をどれだけ素早く、かつ正確に開発できる能力かが分かる。この問題を簡単に解けた人は、どこの会社に行っても活躍できるんじゃないかな」。とのことだった。

なるほどなるほど! しかし現役エンジニアで平均点ということは、日本情報オリンピックに出場している中高生はどれだけレベルが高いんだ……。ちなみに日本情報オリンピックで選ばれた代表は2013年夏にオーストラリアで開催された国際情報オリンピックで金メダル1、銀メダル2個を獲得する優秀な成績を収めていたようだ。

ちなみに、次回の『第13回日本情報オリンピック』は2013年12月15 日(日)に予選が開催。12月 13 日(金)24:00まで参加者を募集している。なお、予選であれば中高生でなくとも誰でも参加できるので、現役エンジニアで自分の実力を計ってみたい人も、ぜひ応募してみよう。詳しい条件等は情報オリンピック日本委員会のページに記載されているので、そちらもチェックだ。

しかしこういった催しから、日本の素晴らしい技術者が生まれると思うとなんだかワクワクしますなぁ! 2020年の東京オリンピックで話題がもちきりだけど、情報オリンピックも絶対見逃せないイベント! 来年は何人のエンジニアが優秀な成績を収めるのか、今から楽しみである。

参照元:情報オリンピック日本委員会

▼問題を解くIさん。奮闘するも2問でギブアップであった。
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▼情報オリンピックについて詳しく説明されている動画。こちらもチェックしてみよう