レトルトカレーも近年は深い味のものが増えた。大きい肉が入っているものから、とても上品な味がするものまで、そのこだわりは専門店のカレーに勝るとも劣らない。でも、ウマイレトルトって高いんだよね

価格が上がると必然的に、レトルトの良さである気楽さが失われることになる。安くて激ウマなレトルトカレーはないものか。我々スタッフ、一生懸命、一生懸命捜しました。そしたらね、見つかりましたよ。「大人のためのビーフカレー」さんが。

・キタノセレクションが開発

首都圏を中心に展開するスーパー「北野エース」で税抜き369円だったこのカレー。東京スカイツリーソラマチ店で売り上げ1位だったのだが、その正体は「キタノセレクション」が開発したものだった。

勘の良い人は名前で大体想像がついたと思うが、「キタノセレクション」は北野エースのPB(プライベート・ブランド)である。その商品の数々は、北野エースのバイヤーたちのアドバイスにより開発されているのだとか。

北野エースと言えば、レトルトカレーの品揃えが圧巻なことで知られている。そんな北野エースのバイヤーたちはレトルトカレー意識も高いに違いない。はたして、どんなレトルトカレーに仕上がっているのか?

・369円なのに具がゴロゴロ

作り方を見ると、湯煎、レンチン、中身を鍋で温めるという3パターンについて注意事項が書かれている。どうやら、湯煎の場合は3分温めたら良いようだ。というわけで、さっそく作ってみた!

ご飯にカレーかけてみてまず驚いたのは、思ったよりも具がゴロゴロしていること。具が入ってないようなレトルトもあるというのに、このカレーには、にんじんやジャガイモどころかゴロッとした肉まで入っている。ビーフカレーは名ばかりではない

・味はどうか

とは言え、大事なのは味だ。価格を考えるなら、やはりちょっとくらいレトルト臭さの残る安っぽい味は覚悟しなければなるまい。もしそうであったとしても納得できるくらいには具が入っている。そう考えつつひと口食べてみたところ……

ウマイやん


安っぽさなど全くなく、むしろ深い。まろやかかつ後を引く辛みには十分に熟成されたカレーの旨味を感じる。その味に単調さはなく、そのまま食べ続けても飽きるどころか次の1杯が欲しくなった。

・美味しいところを押さえてる

結果的に一瞬で食べ終わってしまったが、おかわりが欲しくなる。なんなら、明日の飯もこれで良い。さすがに上品と言うほどの高級感はないのだが、心の隙間にそっと寄り添ってくれる味だ

369円であることを考えれば120点である。レトルトカレーの美味しいところをしっかり押さえつつもちゃんとウマイ。さすがレトルトカレーを知り尽くす北野エースのPB……その高コスパさに私はこうつぶやくしかなかった。素敵やん──

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.