梅雨の季節である。この時期、傘は必需品。家を出る時に雨が降ってなくとも、念のため持って出るという人もいるだろう。そんな時に便利なのが、コンビニで最安のビニール傘。
コンパクトで持ち歩きやすい上に安い。おそらく、コンビニで一番売れている傘ではないだろうか。しかしながら、私(中澤)はこの傘を絶対に買わない。なぜならば……
ギターが濡れるから。
──と、理由だけを先に書いてみたが、これだけでは伝わらないと思われるため補足しよう。まず、私は現役のギタリストなのだが、全然売れていないため機材車なんて当然のように持っていない。すなわち、ライブハウスとかスタジオへの移動は基本「電車+徒歩」でギターとかエフェクトボードを自分で運んでいる。
・売れないバンドマンの敵
バンドをしていない人がどれくらいこの辺の事情に詳しいか分からないが、これは何も特別なことではなく、ほとんどのバンドマンがそうしている印象。そんな我々にとって雨はまさしく天敵だ。
エレキギターもエフェクターも電気回路なので、できるだけ濡らしたくない。しかし、コンビニの最安ビニール傘だと、ギターケースの頭とかエフェクトボードが防御範囲外になってしまうのである。
・気持ちの問題
これが2倍くらいの値段で売ってる70cmのしっかりした傘を買うとギリ防御範囲に入るのだ。まあ、ギリなので、動いたら結局濡れるは濡れるんだけど、65cmとか60cmのビニール傘より全然マシ。気持ち的にも。
もちろん、徒歩移動のバンドマン全員がデカイ傘を買うというわけではない。どちらかと言うと、そういうものと諦めている人の方が多いようにも思う。また、本当にこだわる人はビニールとかゴミ袋を被せて完全防御しているので他人よりこだわっているとかそういう話でもない。
ただ、気持ちの問題なのだ。もっと言えば癖。傘を買う時に反射的に「小さいとギターとかエフェクトボードはみ出すしなあ」と考えてしまう自分がいる。そして、気づけば手に取っているのは1番大きい傘だ。
ギターとエフェクターがいっぱい入ってるエフェクトボードだけでもヒイヒイ言いながら運んでるのに、大きい傘はハッキリ言って邪魔である。何度「『どこでもドア』や『ホイポイカプセル』があったら」と思ったことか。しかし、私はこれからもヒイヒイ言いながら運ぶんだろう。
・高めの傘の良いところ
ちなみに、本日、6月11日は傘の日。この記念日を制定した日本洋傘振興協議会では、毎年この日、傘の持つ多様な魅力の紹介に努めているという。そこで最後に高めの傘の良いところを追記しておきたい。15年以上高めの傘を買い続けて実感した良いところ、それは……
パクられないこと。
傘盗人もビニール傘以外は気が引けるのか、パクッたら一発でバレるからか、私は傘をパクられたことがない。これも1つの魅力。それでは皆様、良き傘ライフを。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.