2019年11月13日から全国のコメダ珈琲店にて販売が開始された「シロノワールプリン」。特にTwitterなどでは販売開始前に各メディア経由で発表されたイメージ画像でかなり話題になっていたもの。発売前にここまで話題になったシロノワールは他に無いだろうというレベル。

そのイメージ画像とは、半端なくデカいプリンの上にシロノワールが乗っているという、この世の全てのハッピーを具現化したかのような一品。普段はコメダに無縁だが、今回ばかりは気になっていた……という方も多いだろう。そして発売日をむかえた今、明らかになったその実態は……

・プリンが無い


_人人人人人人人_
> プリンなし <
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もう一度言おう。プリンはない。シロノワールプリンは、シロノワールのみである。販売前から話題になっていたTwitterでは期待を胸にコメダを訪れ、プリン不在による絶望にうちのめされた人々の嘆きを多数見ることができる。

そうだよな。イメージ画像では、ミニサイズと思われるシロノワールの下に、馬鹿デカいプリンがあったものなぁ。みんな食べたかったよな……デカいプリン。


店舗にてプリンなしの事実を知った人々の悲しみは、それは相当なものだったはず。例えるなら、サンタクロースを楽しみにしていたクリスマスの夜に、いきなりサンタが自分の親だと暴露され、しかもプレゼントが国語辞典だったりした子供の抱くそれと同じくらいの失望だろう。


・許した

個人的には画像がイメージであることを知っていた。しかし、それでもコメダなら……あのコメダならワンチャン……と淡い期待を抱いていた筆者も、それなりに絶望した。事前に分かっていても、いざ現実を突きつけられて初めて受けるダメージというのは存在する。

が、いざ実物が出てくるとどうだ。ほぉん、これ結構イイんじゃないの?


今年食べたシロノワールの中で、食べる前の香り的にはNo.1だと主張したい。テーブルの上に置かれた瞬間から、半端なくカラメルソースのイイ匂いがする。デカいプリンが無いのは残念だけど、でもめっちゃイイ匂いするし、もうそれでいいかなって。


眺め回してみると、これでもかというほどにカラメルソースがブチかまされている。上から見える量だけでなく、上からあふれ出て、シロノワールの下に流れ込んでヒタヒタになっている。まあ店舗や個体差もあるのかもしれないが。

ヘイヘイ! こんなにドバドバと甘ったるいソースがぶっ掛けられている食い物は、ステイツ(USA)で食ったパンケーキ以来だぜ! 賛否はあると思うが、個人的に甘いソースは多ければ多いほど良いと思っている。シロノワールプリンにかけられたカラメルソースの量は、全米が歓喜する基準を満たしていてグッドだ。


・プリンはあった

カラメルソースの匂いと量だけで満足して見逃すところだったが、何やら横から黄色いものがあふれ出ていることに気づいた。どうやらカスタードらしい。なるほど、これが「プリン」というわけか。


しかしカスタードクリームならその辺のクリームパンにも入っている。クリームパンがどうやってもプリンではないように、デニッシュにカスタードを挟んだところでプリンにはなるまい。むしろクリームパンの方が近いんじゃないのか? そう思いつつ食べると……


_人人人人人人_
> プリン! <
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すごいぞ! プリンは本当にあるんだ! 思わず天空の城を見つけた人のごとく叫びそうになったが、マジでプリンみがある。本物のプリンのプルプル感こそ無いが、味的にはプリンを主張してもいい水準だろう。

イメージ画像はあまりにもイメージ過ぎたと言わざるを得ない。しかし、その味についてはイメージどおりであるように感じる。ちゃんと美味いし、プリンみあったので、僕としてはOKです。

ちなみに値段はノーマルサイズが750〜770円(店舗によって異なる)、ミニサイズが550〜570円。コメダのシロノワールは、場合によってはノーマルだとデカ過ぎて最終的には味がクドくなってあまりお勧めできないパターンがなくもない。が、シロノワールプリンはわりとノーマルでいって良いと思います。甘いけど何故かあっさりと食べられました。


・不幸な事故

とまあ味の感想はこんな感じ。通常ならここで終わりだが、今回についてはやはり「イメージ画像」と事前のメディアによるリリースから生まれた悲しい誤解についても触れておくべきな気がする。

まずコメダが出したイメージ画像については……もっとデカく「画像はイメージです」とか書いておくべきだったんじゃないかなと思う。ぶっちゃけ文章で書いても読まれないことの方が多いし、どうやっても文章では画像よりも目に付かない。

コメダが事前に配布したリリース画像が、最初からどうやっても見逃さないレベルでプリン無しだと分かるようになっていれば、それだけでプリンの不在に絶望する人々を生み出さずに済んだと思われる。


そして次に報じた各種メディアである。事前に出ていた多くのメディアの記事では、ちゃんと画像はあくまでイメージであり、実際にはシロノワールのみであることが分かるように記載されていた。それに、実際に出てくるシロノワールの画像を掲載しているところもそこそこ。

ただし一部では、画像があくまでイメージであること。そしてプリンが無いことが明確ではない伝え方になってしまっているところがあったのも事実。そして、それが多くの人の目に触れてしまったのだ。

この事態についてはおそらく不幸な事故……だと思う。より具体的にぶっちゃけていこう。Twitterでシロノワールプリンが話題になるきっかけを作ったのは、ライブドアニュースのツイートだろう。リツイート数的にも、「いいね」の数的にもシロノワールプリン関連の中で相当バズっている。

URLを踏んだ先で見られるのは、マイナビニュースが配信元の、シロノワールプリンの告知記事。こちらだけ斜め読みすれば、シロノワールプリンにプリンがついているように思える。

しかしよく読むと、シロノワールプリンを構成するものについてはデニッシュパン、ソフトクリーム、カラメルソース、そしてチェリーしか記載されていない。しかしまあ、ほとんどの人はそんな細かく読まないだろう。読み手が受け取るイメージとしては、デカいプリンがついていそうな感じだと思う。

一方で、元になったマイナビニュースの記事を見てみよう。文章は全く同じである。記事の配信とはそういうもの。ただし、こちらには本文中ほどに、実物のシロノワールプリンの写真が掲載されているのである。

これなら文章を一切読まなかったとしても、本物にプリンが無いことは明確。配信先で画像が1枚抜け、オリジナル記事よりも配信先の記事がバズってしまった結果が、この悲しい事件を引き起こした……というのが事の顛末ではないだろうか。プリンがきっかけで問われるメディアリテラシー

参照元:コメダ珈琲店マイナビニュース、Twitter @livedoornews
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼こっちだと確かにプリンがあるように受け取れる気がする