東京都・小池都知事は2020年8月7日の記者会見で、都は「感染拡大特別警報」の状況にあると説明した。この夏は感染拡大を抑え込む「特別な夏」とも述べ、帰省を含む遠方への外出を控えるように呼びかけている。

5月25日に緊急事態宣言が解除された後、初めての大型連休にあたる「お盆」を迎える。連休を前に飲食店はどうなっているのか? 東京・神田の喫茶店に現在の状況を伺った。

・小さな喫茶店の現状を聞く

神田・小川町にあるコーヒー専門店「眞踏珈琲店」は緊急事態宣言中に、約1カ月間お店を休んでいた。その間に、東京23区を対象に独自のデリバリーサービスを開始して5月末まで継続。同月11日から店舗の営業も再開している。

お店を再開した当初は、「デリバリー1回当たりの売上は、店舗より良いです」と語っていた。現在はどうなのだろうか? 店主の眞踏(まふみ)さんに現状を尋ねた


佐藤 「5月中は店舗とデリバリーの営業をされていたとのことで、それほどお店は稼働していなかったと思います。6・7月はお店に専念されているでしょうが、その間の客足はコロナ前と比べてどうですか? 戻って来てますか?」

眞踏さん 「以前と比べたら6~7割くらいですかね。土日は割と来て頂けますけど、ギリギリ赤字くらいです(笑)」


佐藤 「デリバリーを始めた時、1回当たりの売上がお店より良いと仰ってましたけど、お店を再開されて、やっぱりデリバリーの方が良い感じですか?」

眞踏さん 「たまたまデリバリーの売上が良い時に、そうお答えしたかもしれませんね。振り返ると良い時も悪い時もありました。当たり前ですけど。デリバリーは毎日やってたわけではないので、総売上で見ると、今の方がもちろん上ですね。やっぱりお店がいいですよ」


佐藤 「東京都は新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。行政が再び営業時間の短縮や外出自粛を求める可能性は、ゼロではないと思うんですね。もし仮にですけど、また営業時間の短縮などを求められたら、お店を休んでデリバリー営業を行うつもりはありますか?」

眞踏さん 「わからないですよね。コレをやってれば正解ってものがわからないんですけど、デリバリー営業の可能性は探っています」


・特別な夏

外出自粛期間中に、デリバリーで飲んだ紙コップのコーヒーは震えるほど美味しかった。あの時、お店に行けるようになったら、きっと新型コロナウイルスの影響も落ち着いていると考えていた。ところが、お店に来られるようになったというのに、感染拡大は終息する気配を見せていない。安心してここに来たかったのに……。求めていた「特別な夏」は、コレじゃない

参照元:NHKニュース
取材協力:眞踏珈琲店 Twitter
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24