緊急事態宣言の解除も見えてきたが、遊園地などのレジャー施設に心おきなく遊びに行けるようになるには今しばらくかかりそうだ。そんな中、インターネット上の仮想遊園地『おうち遊園地』に西日本が参戦。家にいながら、全国22カ所の遊園地を遊覧できるようになった!

『おうち遊園地』は新型コロナウィルス対策による各地の遊園地の休業を受けて、2020年4月28日にオンライン上にオープンした特設サイト。メインコンテンツは人気アトラクションに乗車している感覚が味わえる体験動画。オープン後10日間で約50万PVを記録するなど好評を博したという。

筆者もアトラクション動画を体験してみたのだが、ちょっとした工夫をするだけで臨場感が格段にアップ! その秘密は……風だ。


・参加している遊園地

東日本の遊園地から始まったこの取り組み、当初参加していたのは以下の15施設。

浅草花やしき、国営ひたち海浜公園プレジャーガーデン、西武園ゆうえんち、東京サマーランド、東京ドームシティアトラクションズ、東武動物公園、としまえん、那須ハイランドパーク、箱根小涌園ユネッサン、浜名湖パルパル、北海道グリーンランド、むさしの村、よこはまコスモワールド、横浜・八景島シーパラダイス、よみうりランド(五十音順)。

これだけでもそうそうたるメンツだが、新たに西日本の7つの遊園地が参加してパワーアップ。

今回加わったのは、かしいかえんシルバニアガーデン、城島高原パーク、グリーンランド、東条湖おもちゃ王国、日本モンキーパーク、ひらかたパーク、レオマリゾート(五十音順)。

これまでも独自のYouTubeチャンネルがあった遊園地も多いだろうから、映像コンテンツは特に目新しくないとも言えるが、企業の垣根を超えて集結しているというのがちょっと感動。こういった気運はコロナウィルス収束後も続いて欲しいと思う。

せっかくなので、ただ動画を見るだけではもったいない。同サイトでもコンテンツを最大限に楽しむコツが伝授されているが、筆者もやってみたのでその効果をお伝えしたい。


・用意するもの

テレビ、モニター、パソコンなどYouTube動画を再生できるもの。なるべく大型が望ましい。なんならプロジェクターでもよい。うちはそんなに大きなモニターはないので簡易プロジェクターで壁に投影。

臨場感を演出する必須アイテム、それは扇風機またはサーキュレーター! お子さんだったら抱っこしたり、大人なら回転座椅子のような、身体を柔軟に動かせる姿勢だとなおよし。

それではサーキュレーターをオンにして、動作音が聞こえないようななるべく高音質のイヤホン・ヘッドホンをしたら、ジェットコースター系の動画をスタート! 誰かが手伝ってくれる場合は、画面に合わせて風の強弱をつけてもらうとよい。急降下や急旋回では風を強くするイメージ。

筆者は1人だったので、自分で身体を動かして近づいたり離れたりしていた。はたから見るとちょっとマヌケな姿だが、気にするな。

風があるだけであら不思議、ものすごい臨場感だぞ! アナウンスもバッチリ入っているので、案内のお姉さんやキャラクターのセリフが「懐かしい!」っていう人もいるかも。動画に録音されているゴゴゴゴ……という風切音が、自分の感じている風と一体化して仮想空間に入り込んでしまう。

乗ったことのあるアトラクションだと思い出も一緒に運んできてくれて楽しさ倍増! イヤな思い出が甦ってくる可能性もゼロではないが……。


・VRも楽しい

一部には360°動画もあるので、以前にご紹介したVRゴーグルで見ても楽しい。ダイソーのゴーグルでも雰囲気は十分だ。この場合も扇風機はもちろんオン。

大画面モニターもゴーグルもないよ……という場合でも、パソコンなら高画質で細部まで観られて発見があった。例えば東京ドームシティの「サンダードルフィン」では「スカイツリーが見える!」などなど。ただし、画面を凝視するとちょっと酔ってしまったので小さいお子さんなどは注意。

絶叫系だけでなく、ショーやライドアトラクションの映像もある。シルバニアガーデンは歌と踊り、体操の映像を提供。よこはまコスモワールドの「大観覧車コスモクロック21」は、観覧車の光のパフォーマンスをただただ遠景で撮っている6分ほどの動画なのだが、ついホロリとしながら見入ってしまった。こんな何気ない日常が恋しい……。

遊びに行けない私たちも辛いが、遊園地にとっても苦境のとき。同サイトの「その時が来るまで遊園地はずっとみんなを待ってるよ」のメッセージは胸に響く。いつか必ず行くからね。

……なんて言いつつ、降下系の絶叫マシンが死ぬほど苦手で、ビッグサンダー・マウンテンはギリセーフ、スプラッシュ・マウンテンはアウトという筆者は、動画でしかジェットコースターを楽しめないのはここだけの話だ。お腹がキュゥッとするよね……。


参考リンク:おうち遊園地
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:おうち遊園地