2020年1月11日、台湾では4年に一度の総統選挙が行われる。事実上、現職の民進党・蔡英文氏と国民党・韓国瑜(かん・こくゆ)氏の一騎打ちになると見られている。端的にいうと、中国に対し対決の姿勢を見せる蔡総統と融和路線の韓氏の対決である。

総統選の結果は、今後の東アジア情勢にも大きく影響すると見られ、私たちも気になるところだ。そんななか、蔡氏陣営が大胆な選挙活動に出た!

なんと自身をアドベンチャーゲーム化! タイトルは『ええっ! 台湾高校3年2組の私が突然異世界に迷い込んで総統に出会っちゃった!?』……ってラノベかよ!!!! これが台湾の選挙戦……!

・総統がビジュアルノベル化

総統がビジュアルノベルゲームになると発表されたのは2019年10月25日のこと。蔡英文氏のFacebookに動画とともにこんな文章が投稿されたのだ。

「皆さんもお気づきかと思いますが、今年から私たちは様々な方法で皆さんに私たちの政治の業績と国家に対する考えを伝えてきました。

今回、私たちはアドベンチャーゲームをリリースします。ユーザーの皆さん、私たちと共にこの挑戦を受けませんか?」

動画を見てみると、何じゃこりゃぁぁぁ! PVには高校生風のメガネっ娘が登場。ショタ系の美少年、あとネコ、タキシード仮面的なイケメン(たぶん)、そのほか魔法陣も出て来たりと盆と正月とクリスマスが一緒に来たような盛りだくさんぶりなのだ。そして蔡英文氏らしき女性も登場する。

メガネっ娘が主人公のようだが、なんだか蔡英文氏を美少女化した感じなんですけど……気のせいか?

・タイトルに噴いた

タイトルは『什麼!台灣高中三年二班的我竟然掉入了異世界而且還遇見了總統!?』日本語にすると『ええっ! 台湾高校3年2組の私が突然異世界に迷い込んで総統に出会うなんて!?』……って長いわ! ラノベか!? 完全に意識してますよね!?

通称は『総統府大冒険』……って元のタイトルどこ行った(笑)

・民主主義の大切さを知る

ストーリーは台湾高校3年2組の生徒である主人公が校外学習で台湾総統府を訪れた際、ひょんなことから大冒険に巻き込まれていくというものだそう。目的は「総統の職務を体験して、民主主義の大切さ知る」こと。非常にわかりやすいミッションだ。

ちなみに選挙ツールとしてアドベンチャーゲームが登場するのは台湾史上初のであるとのこと。大胆にもほどがある!

・ゲームは31日夕方リリース / 5ちゃんスレが元ネタの企画も

そのほか蔡英文陣営では、選挙戦にのぞむにあたり台湾産の食材を使ったレシピ集や、外交や国防に関する英語が学べるコンテンツを公開。

また「安価でやる小英」という企画も始動している。これは、5ちゃんねるの「安価スレ」を元ネタにした企画で、「ネットユーザーが自由に物語を投稿 → 面白い&今の社会に合ったものを投票で選出 → 続けてネットユーザーが物語を投稿」というものらしい。

2016年の総統選でも「萌え化」して話題になった蔡英文氏。今回はさらに大胆でやわらかく、わかりやすい選挙戦を展開していくのだろうか。

ゲームは日本時間で10月31日16時02分に蔡氏陣営の選挙戦サイト「小英日常」でリリース予定だ。総統の仕事がどんなものかのぞいてみてもいいかもしれない。

参照元:蔡英文 Facebook2020 蔡英文總統連任辦公室小英日常(中国語)
執筆:沢井メグ

▼こちらがそのPV

▼ちなみにゲームに登場するネコちゃんは実在するよ! 蔡総統のネコ「想想(シャンシャン)」

▼こちらは「阿才(アツァイ)」である