中国・河南省・鄭州にある嵩山(すうざん)少林寺は、中国でも有数の観光地! カンフー映画の影響もあり、武術ショーなどが人気だが、ここの僧侶全員が武僧というわけではない。「禅」、「武」、「医」の3つの部門に分かれているのだ……というのは、以前の記事でお伝えした通りだ。

「医」がつかさどる『少林薬局』では、少林寺が研究してきた薬を “お土産” として購入することができる。私(沢井)は、ここの湿布薬が超お気に入りなのだが、他にどんな薬があるのかも知りた~い! そこで聞いてみた「下痢の薬はありますか?」と。

・少林寺では下痢止めを売っていない

答えてくれたのは、少林薬局でスマホをいじりまくっていた若い僧侶である。彼は、一瞬驚いた目をし、そして少し申し訳なさそうな表情をして、私にこう告げた。

少林寺僧「下痢止めはありません」

なん……だと……? 少林薬局には、下痢止めがないとは! ウンコは心と体からのメッセージだ。心身の不調は下痢として現れやすく、それは中国人だって同じなはず。それなのに、下痢止めを研究していないだって!?

なぜなのか。武僧は体を鍛えており、当然ながら、力強い太モモからのキュッとあがったいいお尻をしている。いわゆるプリケツだ。まさか……肛門を広げ縮める「肛門括約筋」も人並み以上で、ウンコさえも自在にコントロールできるとでもいうのだろうか。いや、それも修行なのか!?

・その理由が目からウロコ!

下痢止めがない理由を聞くと、以下のような回答が返って来た。

少林寺僧「少林寺は武術の寺なので、昔から筋肉や関節の痛み関する分野には強いのです。湿布などの外用薬はたくさんあるでしょう?

反対に、内臓の病気……下痢止めや風邪薬などは取り扱っていないんですよ」

……なるほど! もしかしたら「ウワッ……変な外国人が来たわ」と、適当にあしらわれた可能性も捨てきれないが、道理にかなった理由だと言えるだろう。

武術の寺だから、筋肉や関節の薬。だから、外用薬ならあるよだなんて、もうッ! 「医」の僧侶さん、自分たちは「武」の部門と交流はないなんて言っておきながら、ちゃぁんと密接に関わり合ってるじゃないかっ!

・内服薬は自分で用意しよう

少林寺には薬局はあるものの、下痢止め等の薬は売っていない。覚えておいて損にはならない知識だ。

それでなくても少林寺の敷地は広大だ。さらに、トイレもそこらへんに存在するわけではないし、清潔具合も人によってはチョイキビであろう。パンツくらいは売っているかもしれないが、やはり “爆死” は、何としても避けたいことだ。お腹がゆるい人は、必ず常備薬を持参しておこう。心安らかに参拝したい。

★こちらもどうぞ!→シリーズ・沢井メグの「突撃少林寺」

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼心安らかに参拝するためにも、体調は万全に! 不安な場合「薬は現地調達」なんて思わずに、持参しよう!