市民の味方である警察が、治安を守ってくれていると思うと本当に心強い。ところが、残念なことに中には悪事を働いてしまう不届き者の警官もいるようだ。

というのも、アルゼンチンで警察の倉庫から540キロ分の大麻が消える事件が発生。 しかも、疑われた警官4人がどう考えても嘘としか思えない苦しい言い訳をして、仕事をクビになったのである!

・警察の倉庫から540キロ分の大麻が消失

英ニュースサイト『UNILAD』によると、奇妙な事件が起きたのは、アルゼンチンはブエノスアイレスの警察署にある証拠保管庫だ。押収された重さ6000キロもの大麻が2年間にわたり保管されていたのだが、なんと540キロ分の大麻が忽然(こつぜん)と消えていたことが発覚した。

そして容疑をかけられたのは、前警察本部長のハビエル・スペシア。本部長の任を降りた2017年4月、押収薬物の在庫確認で署名を怠っていたのが理由だという。

・「ネズミが540キロ分の大麻を食べた」と言い訳

その後、内政監察課によって調査が行われた結果、スぺシアと彼の部下3人が嫌疑をかけられて法廷に出廷するよう命じられた。さて、彼らの言い分だが、これが最高に笑えるのだ。4人全員が「540キロ分の大麻はネズミに食い尽くされた」と釈明し、「我々は関係ない」と主張したからビックリである。

しかし、法医学の専門家が「もし本当にネズミが大麻を食べていたとしたら、現場に多数の死骸が発見されているはずだ」と事実誤認を証明。その結果、4人は警察の職務から解雇されたそうだ。

・映画に登場するような悪徳警官!?

このニュースを耳にした時に、筆者は「フィクションの世界で起きそうなことだな」と思ってしまった。なぜなら、押収された違法薬物や大金を警官が着服する……という展開は、洋画や海外ドラマでよく登場する筋書きだからだ。

例えば映画『リーサル・ウェポン2 / 炎の約束』では、マータフ刑事が目の前に積まれた札束の誘惑に駆られ、「これで娘を名門大学に行かせてやれる!」と言いながら、一束を上着のポケットへ……。そして、秀作ドラマ『TRUE DETECTIVE / 二人の刑事』では、コール刑事が個人的な捜査のために、証拠保管庫からコカインの塊を小麦粉に入れ替えるシーンが描かれていた。

前出の4人は全員で口裏を合わせていたようだが、下手な言い訳は全く通用せず……。再び裁判のため、出廷するよう言い渡された。ネズミもとんだ濡れ衣を着せられそうになったものである。

参照元:UNILAD(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.