『DeepL翻訳』なる機械翻訳が話題だ。なんでも精度がすごく良いらしい。どこのメディアもそう言っている。SNS上にもそんな書き込みがたくさんある。中には「方言まで訳すことができた」と言っている人までいる。

そこまで猛プッシュされると、どれだけスゴイのか気になるというもの。というわけで実際に確かめたところ……正確無比と言われる機械翻訳がぶっ壊れる結果になったので報告しておきたい。

・ドイツ発の機械翻訳

2020年3月23日現在、「DeepL翻訳」は英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語・オランダ語・ポーランド語・ロシア語・日本語・中国語の翻訳に対応している。有料版もあるが、同社のサイトにアクセスすれば無料でも利用可能。ちなみに、ドイツの会社が始めたサービスらしい。

使い方は、Google翻訳や「みらい翻訳」と基本的に同じ。翻訳したい文を入れればOKだ。

・実際に試してみた

さて、実際に試してみることにしよう。まずはサイトへアクセスし、翻訳したい文を入力。今回、私は手はじめに「うんこ」と入れてみた。最近では漢字ドリルにもなる人気のワードでもある。さて、それを英語に訳した結果は……



バッチリ。さすが、精度の高さが評判になる機械翻訳だ。

それにしても、「うんこ」の意味を調べることに懐かしさを覚えるのは私だけではないだろう。幼い頃に両親から辞書を買ってもらうと、まずはこういうワードから調べたもの。気づけば、「う」や「ち」や「せ」の欄に手垢が異常についてしまったのは良い思い出だ。


・次のワード「ぷりぷりうんこ」

そんな少年時代に思いを馳せながら、次に私が入力したワードは「ぷりぷりうんこ」。もし『DeepL翻訳』の精度が完璧ならば、これくらいの変更ではビクともしないはず。むしろ “ぷりぷり” の部分をどんな英語にするのか? 高性能機械翻訳と言われるだけに、興味を引かれるところである。

で、実際にどうなったのかというと……結論を先に言ってしまおう。機械翻訳が壊れてしまったのだ。というのも、「ぷりぷりうんこ」の翻訳結果が、



「ぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷりぷり Feces」


まさかの “ぷりぷり” の倍プッシュ。お下劣さが爆発した翻訳を上げてきたのである。これは……さすがに「壊れた」と言われても仕方がないだろう。

そもそも、「ぷりぷりうんこ」は “ぷり” が2回だから風流なのであって、何回も重ねれば良いというワケじゃない。このあたりの侘び寂びを、外国生まれの『DeepL翻訳』は理解していないようだ。

ただ、『DeepL翻訳』をフォローするわけではないが、Google翻訳より精度が良いのは間違いなさそう。なぜなら、Google翻訳に「ぷりぷりうんこ」を入力したところ……



Crisp(意味:カリッとした ※goo辞書より)。まるで「ぷりぷりうんこ」がスナック菓子でもあるかのような翻訳をしたのだから。それに比べれば、『DeepL翻訳』は健闘していると言えるかと思う。

そしてもう1点、『DeepL翻訳』の良さを紹介しておきたい。それは、私が子供時代によく調べていた “もう1つの言葉” を入力したときのことだ。『DeepL翻訳』の出した答えが……



「tinkle(意味:チリンチリン ※goo辞書より)」と、実に惜しかったのである。なかなか良いところを突いている上に、味わい深い翻訳と言えるのではないか?


・結論

以上、当編集部での独自検証の結果をまとめると、「DeepL翻訳」がビジネスに使えるかどうかは今回サッパリ分からなかったものの、全体的に悪くない。放課後の部室などの “ぶっちゃけた場” でのトークに使えるかどうかは微妙だが、Google翻訳よりは精度が高そうである。さすが「ディープL」だ。

ただし、先に述べた通り時に壊れることもあるので、入力するワードには注意が必要。実際に活用しようと思っている人は、気をつけてほしい。

参考リンク:DeepL翻訳Google翻訳、goo辞書「crisp」「tinkle
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.