今週末の札幌競馬場では、夏の一大決戦・札幌記念が行われる。4頭のG1馬が出走するなどスーパーG2の様相を呈しており、今年も大いに盛り上がりそうだ。

なかでも注目はブラストワンピース、フィエールマン、ワグネリアンの4歳勢。同世代のライバルを蹴散らし、夏の王者に輝くのは?

・4歳世代が中心

日曜札幌のメインは、芝2000mで行われる札幌記念。夏競馬では唯一のG2競走で、まさに夏の頂上決戦といえるレースである。

昨年と一昨年は先行馬が崩れる展開となっており、差し馬の台頭に注意が必要なレースだ。ただし今年はどの馬が逃げるか読みづらいメンバー構成で、互いに様子を見ながらのレースになりそう。展開による紛れは起きず、純粋な力比べになるのではないだろうか。

そうなると実績のある人気サイドを素直に信頼したい。いずれも4歳のG1馬、①ブラストワンピース、⑨フィエールマン、⑫ワグネリアンが「3強」と考えていいだろう。この3頭のうち、どの馬に乗るか。

・天皇賞馬の次走は不振

3強のうち最も人気を集めそうなのが、前走で天皇賞(春)を制した⑨フィエールマンである。デビュー以来ほぼ完璧といっていい戦績の同馬だが、不安要素もある。

最強馬決定戦として名高い天皇賞(春)だが、3200mという長丁場を走るレースということもあり馬体への負担も大きい。過去10年の天皇賞(春)優勝馬の次走成績を整理すると、下記のようになる。


2009年マイネルキッツ → 宝塚記念7着
2010年ジャガーメイル → 宝塚記念8着
2011年ヒルノダムール → フォワ賞2着
2012年ビートブラック → 宝塚記念9着
2013年フェノーメノ → 宝塚記念4着
2014年フェノーメノ → 天皇賞(秋)14着
2015年ゴールドシップ → 宝塚記念15着
2016年キタサンブラック → 宝塚記念3着
2017年キタサンブラック → 宝塚記念9着
2018年レインボーライン → 故障のため引退


天皇賞(春)から連勝した馬は1頭もいない。国内のレースに限れば馬券圏内に踏みとどまったのは16年のキタサンブラックのみで、壊滅的な成績である。いかに天皇賞(春)が反動の大きいレースであるか窺い知れる。

このデータが⑨フィエールマンにも当てはまるかは分からないが、そもそも一気に6ハロンの距離短縮も不安材料といえば不安材料。したがって今回はヒモに入れる程度に留める。

・最も不安要素の少ない馬は……

昨年の有馬記念を制した①ブラストワンピースはどうか。これは春2戦の内容があまりにも不甲斐ない。大阪杯と目黒記念では見せ場すら作れず敗退しており、この内容ではちょっと軸では買えない。

ただし、今回は川田騎手への乗り代わりなど陣営からはテコ入れの意思も感じる。もともと実力はあるだけに、変わり身の可能性も考慮してヒモには入れておいた方がいいだろう。

ということで、消去法ながら本命は⑫ワグネリアン。いわずとしれた昨年のダービー馬だ。

今回は大阪杯以来4カ月半ぶりのレースとなるが、休み明けは苦にしないタイプ。過去3度の休養明けでも無難に走っている(弥生賞2着、神戸新聞杯1着、大阪杯3着)。

大阪杯では3着だったものの、スローペースで前が残る展開のなか、勝ったアルアインとは0.1秒差。評価を下げる内容ではなかっただろう。特に大きな不安要素がない以上、この馬が軸でいいのではないか。

馬券は馬単で勝負。⑫ワグネリアンを軸(1着固定)にして、相手は①③⑥⑨⑩。


例年、ここから天皇賞(秋)へと直行する馬も多い札幌記念。秋以降のG1戦線を占う意味でも見逃せないレースだ。「4歳3強」の争いとなるのか、はたまた伏兵の強襲はあるのか。いずれにせよ好勝負を期待だ!

・【追記(結果)2019年8月19日20:35更新】

結果はブラストワンピース → サングレーザー → フィエールマンと上位人気の決着。ワグネリアンは残念ながら4着でした。勝ったブラストワンピースは凱旋門賞を視野に入れており、秋の活躍が楽しみな内容となりました。

参照元:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.