以前、どこかで「ネットでくらい本音をぶちまけたい。汚い言葉や人の悪口を言いまくりたい」なんて発言を見かけたことがある。匿名性が保たれやすいネット上で、羽目を外したくなる気持ちは分からなくもない。

が、やはりネット世界と現実世界は地続き。気をつけた方がいいだろう。今回も、ある女性がネット上で汚い言葉を使ったために、決まっていた「NASAでのインターンシップ」が取り消されてしまったというのだ……。

・「Fワード」をつぶやいた女性

海外メディア『Independent』や『USA Today』など多数のメディアによって報じられている本件。2018年8月21日に、Twitterユーザー・ナオミ Hさんが以下のようにつぶやいたことから始まった。


「黙りやがれ、くそったれ! NASAのインターンシップに受かったぜ!!」


「黙りやがれ、くそったれ!」の部分では、英語圏でタブーとされている「Fワード」が使われた。きっと天下のNASAで働ける嬉しさが爆発し、つい言ってしまったのだろう……が、その後がいけなかった。

・Twitter 民「言葉遣いに気をつけましょう」→ ナオミさん「うるせーよ、バーカ」

ホーマー・ヒッカムと名乗るTwitter民から「言葉遣いには気をつけましょう」とたしなめられたところ、 ナオミさんは聞く耳を持たず、「うるせーよ、バーカ(Sxxk my dxxk and bxxxs)。私はNASAで働く身なんだよ」とさらに強烈な言葉を返答してしまったのだ。

彼女が書いたのは「ピー音が連発するような言葉」なのだが、ネット上のやり取りでは珍しくもなんともない。ナオミさんも、軽く受け流されると思っていたのかもしれない。しかしヒッカムさんは受け流さず、次のような予想外なツイートを返してきたのだ。


「そうですか。私は、NASAを監督する機関『アメリカ国家宇宙評議会』の者です」


結果、このやりとりがNASAの知るところとなり、ナオミさんはインターンシップのポジションを失ったと伝えられている。現在、彼女のTwitterアカウントは非公開となっている。ちなみにヒッカムさんは、NASAの元エンジニアでもある。

・ヒッカムさん「問題になる前にそっと注意したかった」

ヒッカムさんは、今回の一連の経緯についてブログにて詳細を明かした(8月23日現在、削除されている)。「彼女がFワードを発したことに気分を害したわけではない」と述べ、「あの言葉と、NASAの名前が一緒に使われていたので、NASAに見られたら問題になるのではないかと思った」と説明。軽く注意して、済ませようと考えていたとのこと。

ヒッカムさんは騒ぎを避けるため、自分のツイートも削除したそうだ。けれどもナオミさんの友人がハッシュタグ付きで本件を話題にしたために、NASAの耳に入り、問題になってしまったというのである。

またヒッカムさんは「私が彼女の解雇に関わったわけでもないし、何かしてあげることもできない」と書きながらも、「彼女のレジュメを見たが、とても優秀な人物だった。彼女が宇宙関係の仕事に就けるように力になりたい」「彼女の履歴に汚点が残らないよう関係者に話した」とも述べている。ちなみに問題のやりとりの後、2人は直接連絡を取って、謝罪しあったということだ。

参照元:IndependentUSA Today(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24