ポケモンカメラマンのみんな、「New ポケモンスナップ」発売から1週間経ったが進捗はいかがだろうか? 22年ぶりの復活となった今作は、オンラインで世界中の人々と写真をシェアできるのがおもしろいよね。ロクヨン(昔のゲーム機)の時には考えられなかったことだろう。

今回の記事は、このSNS時代においてポケモンスナップでいかに「映え」な写真を撮れるかがテーマだ。ゲーム内容自体を知りたいという方は、是非体験記の方を参考にしてほしい。

私もまだ総プレイは15時間ぐらいだが、映像に携わっている身として、良さげな写真を撮る方法をお伝えできたらと思っている。実際の写真撮影に役立つ事柄もあると思うので、未プレイの方も雰囲気を楽しみながら読んでみてほしい。

結論からいこう。ポケモンスナップで映え写真を撮るためのコツは、「博士の言葉はとりあえず無視すること」だ!!

・ポケモン学者、カガミ博士

どのポケモンを撮影してもいつも同じような写真になってしまっていないだろうか。その元凶こそ、この男。


そう、カガミ博士だ。

「ポケモンはなるべく大きく、中心で撮ろう。顔は正面向きで、枠からはみ出ちゃいけないよ」

写真を撮る度にこういったアドバイスを寄こすのだが、もうこんなん全部無視だ。生態研究の観点からしたら上記の主張も一理あるが、映え写真を狙っている人はこれらのアドバイスを真に受けてはいけない。残念なことに博士はオシャレさに対して感性が無いのだ。


・博士ではなくカメラの最大手キヤノンを参考にしよう

被写体の配置や、フレーム内に占める割合のことを「構図」というが、この構図をちょっと変えるだけで、いつもの写真が素敵な写真へと早変わりする。映えを目指す我々が信ずるべきは博士ではなくキヤノンだ。公式HPを参考に、基本の2つ構図をポケモンスナップの写真とともに紹介しよう。

○3分割構図

画像を縦横3分割にして、その線上や交差点に被写体を配置するのが3分割構図だ。余白が生まれることによってバランスよくまとまる。ちょっと中心からずらすだけなのにオシャレ度がグッと上がるぞ。

ポケモンはもちろん人や動物を撮るときは、縦に分割線をいれ、その線上に被写体を配置するとよい感じになる。目線の先に空間をつくるのがポイントだぞ。

○対角線構図

画像を斜めの線で分割するのが対角線構図だ。その線に沿うような形で被写体を配置し写真を撮ると、奥行きや動きがでる。料理の写真や、おしゃれなイメージ写真なんかに意外と使われていたりするぞ。

これらの構図をポケモンスナップで試すと、博士は「まずは真ん中で撮ろう」とケチをつけてくるだろう。博士には是非「構図」という概念を学んで頂きたいものだ。

ちなみに、博士が知ってか知らずか我々に求めてくる、中心に被写体をドーンと置く手法は「日の丸構図」という。これはこれで力強く安定した写真が取れる、使い勝手のいい構図だ。


・映え写真は「エクストラ撮影」で作れる!

オシャレに見える構図というのを知っていただいたが、動き回るポケモン達を狙った画角や大きさで撮るのは、ゲームといえど至難の業。そんな時に使いたい機能が「エクストラ撮影」だ。この機能を使えば、微妙な出来栄えの写真から映え写真を作り出すことができるぞ!

実際にやってみよう。これは加工前のキャモメの写真だ。真ん中に被写体を捉えてはいるが、なんだかメリハリがなく感じてしまう。これを先ほど取り上げた対角線構図を意識して、サイズをいじってみると……

キャモメに躍動感が生まれたように見えないだろうか? このように、適当な写真でも構図さえ意識すればちょっとカッコイイ写真に生まれ変わるのだ。博士の言うことを聞いて元から枠いっぱいにポケモンを撮ってしまうと後からサイズの変更ができなくなる。エクストラ撮影でサイズをいじりたい場合は少し広めに撮影しておくと良いだろう。


・ワンランク上を目指すには「背景」を意識

博士の言うことは聞くなと言ってきたが、唯一これはまあ的を得ているというアドバイスがある。それは「ポケモンと一緒に特徴のある風景を撮ってみるのもいいよ」というものだ。

カメラマンというのは物や人を撮る時に、その被写体の抜けに写り込む背景にも気を配る。ポケモンスナップでは様々な場所を探検できるため、その地形ならではのものをポケモンと一緒に入れ込むとよいだろう。

例えばこのホルビーの写真。3分割構図を意識し、奥には博士の研究所が抜けるよう撮影した。後ろのボケ具合もエクストラ撮影で調整できるので、一眼レフで撮ったかのような写真が簡単に作れる。

そしてこちらはティラノサウルスのようなポケモン、ガチゴラス。背景に岩山を写り込ませることによって、生息地で撮った感満載の写真になった。ポケモンの動きを先読みして回り込めば、良いアングルで撮影できるぞ!

このように、特徴的な景色を入れ込みちょっとぼかしたりなんかしたら、それだけでもう映え写真の出来上がりだ。動きが速いポケモンの場合は、連写して1番良い位置に来た写真を加工すると良いだろう。


・写真に正解はナシ!

「背景に気を配って撮影し、後から構図やサイズを編集する」というのが、私流の映え写真の撮り方だ。また、何回もコースを巡ってココだ! という撮影ポイントを見極めるのも地味に大事だったりする。

ただ、どう撮ればオシャレなのかという感性は人によって全く違うし、写真に正解・不正解なんてものはない。自分自身が「スゴイの撮れた!」と思えれば結局それでオッケーなのだ。

それでもちょっといつもと違った写真を撮ってみたいなと思った時は、心を鬼にして博士の言うことを聞き流そう。そこから少しずつ自分なりの方法を模索し経験を重ねていけば、名ポケモンカメラマンと呼ばれる日も近いのかもしれない。

参考リンク:New ポケモンスナップキヤノン公式「カメラ初心者教室」
執筆:まろ
Photo:©2021 Pokémon. ©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.©1999 Nintendo/HAL Laboratory, Inc. Developed by BANDAI NAMCO Studios Inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
ScreenShot:New ポケモンスナップ(Nintendo Switch)

▼背景の作り込みがとにかくすごい! 草原、ジャングル、海中、雪山など、いろいろなところで撮影できる

▼ポケモン世界の生態系が垣間見れるところがおもしろい

▼ゲームやアニメだけでは見られなかったポケモンたちの動きが盛りだくさん。それだけでプレイする価値アリです!