突然だが、「焼き小籠包」を食べたことはあるだろうか。一般的に「小籠包」というと、薄いフニャフニャの皮に包まれた「蒸し小籠包」の方を思い浮かべるだろう。しかし、カリッカリに焼き上げられた「焼き小籠包」も超絶美味しいのだ。

とはいえ、焼き小籠包は蒸し小籠包と違ってまだまだ入手しづらい。そこで、コンビニやスーパーで手軽に買える冷凍蒸し小籠包を焼いてみて、一番「焼き小籠包」っぽくなるものを探してみた!

・決め手はスープの量

今回はコンビニ・スーパー・コストコで売られていた6種類の小籠包を用意した。やり方は、蒸し小籠包を通常通り温めた後に多めの油で2分ほど炒めて焦げ色をつけるだけ。この方法で「焼き小籠包」っぽくなるとの情報をキャッチしたので、試してみたいと思う。

ただ、蒸し小籠包をさらに炒めて加熱するため、中のスープの量が減ってしまうようだ。なので今回は、炒めた後もスープがしっかり残っていて「焼き小籠包」っぽくなっているかという点を基準にジャッジしたい。


まずはコストコで売られていた「生小籠包(25個入り・税込988円)」で検証する。

電子レンジ調理が出来ないタイプなので、フライパンに小皿を乗せてその上にお皿を重ね、即席蒸し器を作って調理していく。

蒸し上がったコストコ小籠包をそっと割ってみると……スープが少ない。食べてみたところ、確かにスープは含まれているものの「蒸し小籠包」の時点でスープ量にやや物足りなさを感じてしまう。

とはいえ、炒めて「焼き小籠包」っぽくして割ってみると、「蒸し小籠包」時代からさらに少なくなったとはいえ一応中からスープが出てきた。食べてみると具材もジューシーでなかなか「焼き小籠包」っぽくはある。


続いては、コストコのものと小籠包の形が似ている明治の「素材を味わう小籠包(6個入り・税込350円前後)」。袋に記載されている通り、まずは電子レンジで蒸し小籠包を作る。蒸し時点ではスープはなかなか多く、甘めの味付けが特徴。

蒸し上がった小籠包を炒めて「焼き小籠包」っぽく改造。小籠包は皮が薄いので調理中に破けてしまうことがあるため、まずはどこにも穴が開いていないのを確認し、そっと穴を開けてみると……スープが出ない!

半分に割って中を確認してみると、スープが完全になくなっていた。炒めると完全にスープがなくなることもあるのか……


次に検証するのは日本ハムの「中華の鉄人® 陳建一 小籠包(6個入り・税込220円前後)」。蒸し小籠包の時点ではスープが多い!

しかし、「焼き小籠包」っぽく改造すると、割り開いてもスープが出てこないぐらいの量になってしまった。「焼き小籠包」っぽさは少ないものの、具材とスープが絡んでジューシーな感じになるのでこれはこれで美味しい。


次はローソンで買った「成城石井 山形県産三元豚の小籠包(4個入り・税込198円)」。蒸した状態ですでにスープが少ないので不安がつのるが……

元が少ないせいか、「焼き小籠包」っぽくしてみた後もそこまでスープの量は変わらなかった。蒸し時よりもスープがドロッとした感じになり、なかなか面白い食べ心地。


お次はファミリーマートの「スープ溢れる小籠包(4個入り・税込198円)」。名前からして期待できそうだが、蒸した状態では確かにスープが溢れている!

焼いてみても同じく、スープが溢れてくる〜! しかも、皮が他のものより厚めなので、調理中に穴が開いたり、蒸した状態から炒めるために移動させる際にお箸で穴が、という失敗がないのも嬉しい。これはなかなか「焼き小籠包」化に向いているのでは?


最後はセブンイレブンの「特製点心小籠包(4個入り・税込203円)」。蒸した状態では6種類中最もスープが多かった! これは「焼き小籠包」化にも期待ができる。

意気揚々と炒めようと移動させていると、なんと全ての小籠包に穴を開けてしまうという痛恨のミス……! スープがたっぷりかつ皮が薄く柔らかいために起きた悲劇だ。

気を取り直してもう1パック用意し、再度挑戦。たっぷりの油で炒めてみると……

見た目は「焼き小籠包」化に成功。しかも、割った瞬間に大量のスープが溢れ出てくる〜!

さらになんと、中を割り開いて見てみると、大量のスープが流れ出した後とは思えないほど、まだまだスープがたっぷり残っていた! これは凄い、文句なく優勝だ。


・小籠包は繊細

今回は、炒めて「焼き小籠包」っぽくした後にもたっぷりとスープが残っているか否か、を判断材料にして一番を決めたが、正直に言うと蒸し上がった小籠包に穴を開けずに炒めるのは結構大変だった。

というのも、「蒸し小籠包」の皮が薄く柔らかいため、加熱中に破れてしまったり、お箸でつまんで炒め用フライパンに移動する際に破れてしまったりする可能性が高いからだ。

もし冷凍蒸し小籠包の「焼き小籠包」化に挑戦する場合は、繊細な皮を破かないように細心の注意を払って欲しい。成功を祈る!

参照元:明治「素材を味わう小籠包」・日本ハム「中華の鉄人® 陳建一 小籠包」・ローソン「小籠包」・セブンイレブン「特製点心小籠包」
Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼食べるの専門です。大変でした……