普通って何だろうか? 中学、高校と死ぬほど「ぼっち」だった私(中澤)はよくそんなことを考えた。同級生と普通に話せるようになりたい。でも、どうやって仲良くなるのか分からない。私にとって、周りの人は怪獣みたいなものだった。あるいは怪獣だったのは私か

今回ご紹介する少女マンガは、比喩ではなくガチで怪獣に変身してしまう女子高生の物語である。ドキドキすると体の一部が醜くく変形する奇病を持つ女子高生・クロエ。そんなクロエが恋に落ちた瞬間、ゴジラみたいな大怪獣に! こんな私を受け入れてくれるわけないのに

・作者が第1話をTwitterに投稿

本作の作品名は『乙女怪獣キャラメリゼ』。マンガ雑誌『コミックアライブ』で毎月連載されており、2019年1月23日には2巻が発売された。そのタイミングで作者の「蒼木スピカ(@nakiringo)」先生がTwitterに第1話を投稿し話題になっている。

・基本は「少女マンガ」

「恋なんて恐怖でしかない」という印象的なワードで幕を開ける本作。幼い頃、初恋のタイミングで前述の奇病を発症したクロエは、その症状のせいで誰にも理解されない日々を歩むことに。

そうやって女子高生になった今。人を遠ざけることが染みついたクロエは、学校カースト最下層のぼっちに位置している。その暗い外見から陰口のようなあだ名をつけられクラスに居場所もない。

そんなクロエの前に現れるのが、学校カースト最上位のイケメン・南新汰。最初は、新汰を遠ざけるクロエだが、完璧だと思っていた新汰の意外な一面から徐々に近づき出す2人の距離……。

・超展開

──と、ここまでは比較的普通の少女マンガなのだが、物語が加速するのはラスト7ページだ。街で新汰と2人でいることをクラスの女子に目撃されたクロエは、その際の新汰の対応がキッカケで大怪獣に変身!!

街中で雄たけびを上げるクロエを呆然と見上げる新汰。逃げ惑う人々。「私はもう私を止められない」……というところで第1話が終わる。

はたして、新汰は大怪獣になるクロエを救えるのか? っていうか、政府が動き出しそうなくらいのゴジラっぷりだけど、この後クロエは無事人間に戻るのか?

・クロエのお母さんの存在

さらに、個人的に伏線的なものを感じたのはクロエのお母さんの存在である。少女マンガによくあるタイプの超美人かつ優しいクロエ・ママ。

クロエの症状は当然認識しており、雄叫びをあげる最後のカットでも「ありゃりゃ~大きくなったねえ…クロたん」と若干余裕すら感じる軽い反応を見せる

だが、子供が怪獣に変身するということは、大人同士の関係にも響いてくるし親的にも大変なことが多いのは間違いない。それも含めて、一見軽そうなクロエママを掘り下げるハートフルな話もありえるのではないかと思った。夫の存在も気になるところである。

・少女マンガ版『進撃の巨人』

まるで少女マンガ版『進撃の巨人』みたいな猛烈な “引き” がある『乙女怪獣キャラメリゼ』第1話。繰り返すが、現在2巻まで発売中とのこと。続きが気になりすぎるゥゥゥウウウ!

参照元:Twitter @nakiringoコミックアライブ
マンガ:蒼木スピカ,used with permission.
執筆:中澤星児

▼第1話全編はこちらのツイートから読めるぞ!