およそ1週間前にお伝えしたとおり、今月は流星群が3つもある。そのうちの一つ「おうし座南流星群」はすでに極大を迎えた。そして昨日から今日あたりで「おうし座北流星群」が極大を迎えている。

ちなみにおうし座南・北の両流星群にはっきりした極大はなく、週末くらいまでは見られる。しかし天気予報では全国的に曇りか雨……。観測は絶望的っぽい。せめてもということで、今回はおうし座を簡単に特集するぞ!

・アルデバラン

「おうし座」と聞いても、天体にそこまで興味のない方は全体的にあまりピンと来ないかもしれない。しかし「アルデバラン」と言えばどうだろう? 小学校の理科でほぼ確実にあつかうため、なんとなく聞き覚えがあるはずだ。

オリオン座のベテルギウスと同じく、赤~オレンジ色っぽく見える星で、温度は低め……なんてことを教わったはずである。まさにその通りで、地上からの見た目はベテルギウスと同じような感じ。

そして、おうし座はオリオン座の割と近くにあるのだ。なんとなく空を見上げて「あ、オリオン座だ」と思った時には、大体おうし座も視界に入っていると思われる。せっかくなので今日はおうし座の見つけ方を覚えていって欲しい。

・オリオン座のベルトをのばした先

見つけ方は簡単。まずはオリオン座の腰の辺りの、ベルトのように3つ並んだ星を見て欲しい。そのベルトの線を、そのままベテルギウスとは反対の方向にまっすぐ伸ばしていこう。

すると、その線からほんの少し上にそれた所に、赤く明るい星と共に複数の小さな星星が「V字型」を形成しているのが見つかるはず。その明るい星がアルデバランであり、そのV字がおうし座の顔の辺りなのだ。

空気が澄んでいて、天の川もはっきり見えるというような場所だと、オリオン座もろとも他の星に埋もれて見つけるのが困難かもしれない。しかし、都市部であれば他には見えないと思うのできっと簡単だろう。

・「すばる」もおうし座

ここでもう一つ、おうし座に関して多くの人がそれと意識せずに知っている天体を紹介したい。それはプレアデス星団、あるいは和名の「すばる」だ。自動車メーカーのロゴにもなっているこちらも実はおうし座なのだ。

見つけ方は以下の通り。上手くアルデバランと共におうし座の顔付近を発見したら、そこから更にオリオン座のベルトを伸ばした奥を見てみよう。なにやら密集した明るい青い星々が見えたら大体それだ。



ここ数日で見えるはずのおうし座北流星群は、ちょうどこのプレアデス星団のすぐそばを放射点としている。筆者も見たいのだが、東京は残念ながら13日現在も厚い雲に覆われており、星どころではない。

しかし、気象庁の週間天気予報によると明日の東京は曇りのち晴れとなっているので、近郊にお住まいならチャンスがあるかもしれない。もしうまい具合に晴れ間が覗いていたら是非暖かい服装でおうし座を見つけつつ、流星群を観測してみて欲しい。

参照元:気象庁アストロアーツAMS(英語)
執筆・イラスト:江川資具
Photo:WikimediaCommons.