みなさんは自動車運転免許をお持ちだろうか? 免許をお持ちの場合、おそらく多くの人が「自動車教習所」に通ったに違いない。その時のことを思い返して欲しいのだが「スピードを落とせ」と言われたことはあっても「もっと出せ!」とは言われなかったハズだ。だがしかし……。

日本には「スピードを出さないと別の危険があるエリア」が存在するらしい。これは15年ほど前のこと……私、P.K.サンジュンが関西在住の知人から聞いた話である。信じるか信じないかはあなた次第だ。

・約15年前の話

当時の私は20代前半。そのときは神戸に住む先輩を頼って、1週間ほど大阪や兵庫を旅行していた。関西に住んだことは無いが知り合いは大勢いて、道頓堀やアメリカ村、甲子園球場など、コテコテの観光地を案内してもらっていたと記憶している。

今回のエピソードは、その中の1つ「新世界」に足を運んだときの話だ。かの有名な通天閣を眺めつつ食べた「串揚げ」の味は絶品で、今でも忘れることができない。たしか “2度漬け禁止” の張り紙を見たのもあの時が最初だったと思う。

その日、私を案内してくれたのは2つ年上の先輩で、仮に名前を安田さんとしよう。安田さんは神戸に住んでおり、この旅行中ずっと私のために車を出してくれていた。この時も神戸から私を車に乗せて、新世界まで連れて行ってくれたのだ。

ひと通り新世界を満喫し、そろそろ神戸に戻ろうとしたのは夜の21時頃だっただろうか。車に乗り込みしばらくすると、安田さんがこれまでにない荒れたドライビングテクニックを披露し始めたのである。簡単に言うと “猛スピード” を出し始めたのだ。以下で再現VTR方式でご覧いただきたい。


──ちょちょちょ、危ないですよ! スピード出しすぎですって!! 急にどうしたんですか?

安田さん「ちゃうねん。この辺りをチンタラ走っとったら当たり屋が飛び込んでくんねん

──え! 当たり屋? またまた~。

安田さん「ほんまやねんって。俺も親父に言われたんや “ここいらは30キロ以下で走ったらあかん”って」

──ウソでしょ。当たり屋なんて今の時代にいます?

安田さん「知り合いも50くらいのババアに飛び込まれとったで。俺もこの辺りでは60キロ以下では走らんな。60キロ以上出しておけば、さすがに当たり屋も突っ込んでこられへんやろ」


しばらくすると、安田さんの運転はいつもの安全モードに戻っていたが、「大阪には当たり屋が飛び込んでくる地域があるらしい」ということは、私の脳裏に深く刻まれたのであった。安田さんが私をからかうための冗談だったのか、それとも本当の話だったのかはわからない。

ちなみに、上記の出来事があった場所の付近に実際に住んでいる人に話を聞いたところ、


「15年前の話ですよね。確かに、そういうイメージを持たれている地域は大阪にありますが、その地域で実際に当たり屋にあったという話は聞いたことがないです。ちなみに私の友達は、その場所とは違う場所で当たり屋の被害にあいました。そこは大阪一の繁華街で、相手はこわ〜いお兄さんだったそうです」


──とのことで、現在でもその地域に当たり屋がいるかどうかは分からなかった。

ただ1つ言えるのは、その地域だけで当たり屋等の犯罪行為が行われているわけではないということ。大阪だけでなく日本どこでも、果ては世界中どこでも、一部の人は犯罪行為を行うのだから。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.