昨年10月。『やっぱりステーキ』系列に “唐揚げ専門店” があると聞きつけた私は、那覇市内の『やっぱり らぶ唐』へやって来た。カウンター席のみの小ぢんまりとした店内。同じ形態はグループ内でもここ1軒だけだという。

1番人気のメニューは『1000ベロセット』。ちなみに沖縄の繁華街を歩いていると、他にも『せんべろ』をウリにする店が多い様子である。しかし実際に体験してみたところ……沖縄の『せんべろ』とは、東京や大阪のソレとやや意味が異なるようなのだ。

・やっぱりの聖地

やっぱりステーキはじまりの地として知られるのが『カクテルプラザ』という雑居ビル(那覇・松山エリア)。ちなみに1階正面から左手が『やっぱりステーキ1st』、真っ直ぐ進めば『やっぱりステーキ1stが元々あった場所』だ。

そして右手に進むと……

『やっぱり らぶ唐』がある。

事前に食券を購入するシステム。

聞き慣れない『500ベロ』というのもあるようだが、ひとまず『1000ベロ』を…………ん? 待てよ、そういえば『せんべろ』って「ちょうど1000円」っていう意味だったっけ?


・沖縄の『せんべろ』

調べたところ、やはり『せんべろ』とは「1000円でベロベロに酔える」が語源。つまり酒が1杯100円前後で飲める激安店を指す表現であり、本来は「だいたい1000円くらい」という曖昧なニュアンスだ。少なくとも私の住む東京では、事前に1000円支払うシステムではない。

それがどういうわけか沖縄では “ドリンク+おつまみが1000円ポッキリ” という方向性で定着し、1000円でいかに内容を充実させるか、各飲食店がしのぎを削っているという状況らしいのだ。う〜む……分かりやすくてイイかもしれないな。

『やっぱり らぶ唐』の1000ベロセットはドリンク2杯、唐揚げ3個、牛スジ煮込み。普通に注文すると合計1550円(ビールの場合)だから、かなりお得なセットといえるだろう。500ベロだとドリンク1杯と唐揚げ2個。

ビールは正真正銘のオリオン! かわいい小ビンで提供されるのが嬉しい!


・沖縄のチキンはハイレベル

メインの唐揚げは醤油味と塩味から選ぶことができる。揚げたての唐揚げがマズイわけ……

……ないとも言い切れない。なぜなら現在わが国は空前の唐揚げブーム渦中にあり、時には食えたもんじゃないレベルのブツに当たってしまうこともあるから。だがしかし! ここのはマジでウマイ! あとデカイ!!

地元客の多くは690円の『唐揚げ定食』を注文している様子だ。沖縄県民は “お祝いごとのメインが普通にケンタッキー” といったエピソードもあるほど、熱狂的なチキン好きとして知られる。このような激戦区で支持されている点からも、お店の実力がうかがえるというもの。

牛スジ煮込みもトロトロでおいしい。

これで1000円とは、かなりいい塩梅なセットと言えよう。

いや〜、それにしても飲みすぎてしまった。周りの客たちとも話がはずみ、まさに夢のような楽しい夜である。沖縄スタイルのせんべろ最高☆ 沖縄行ったら『やっぱり らぶ唐』で決まり!!


………………と、思ったのに……!


なんと沖縄県が1月19日に発令した非常事態宣言に伴って『やっぱり らぶ唐』は長期休業に突入。そのまま同系列の別業態へ生まれ変わることが決定したのである。あのせんべろの思い出は文字通り夢となってしまったのだ。無念……!

ただし秘伝の唐揚げ自体は、今後『やっぱりステーキ2nd』(那覇市 / 松山)で提供されるとのこと。沖縄の非常事態宣言は2月末で解除され、再び旅行できる日も近いだろう。専門店はなくなってしまったけど、沖縄へ行った際はぜひ「やっぱりステーキの唐揚げ」を食べてみてほしい。『やっぱり系列』の新たな展開にも注目だ!

参考リンク:やっぱりグループ公式サイト
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.